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最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)



最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)
司馬 遼太郎
最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)
定価: ¥ 530
販売価格: ¥ 530
人気ランキング: 82496位
おすすめ度:
発売日: 1997-07
発売元: 文芸春秋
発送可能時期: 在庫あり。

小説、作話
物語としては、楽しめる。
ただ、慶喜を能力の高いものと著わしているが、
大政奉還の主人としているから、
この作品では、作話的に創られていると思う。
徳川の宗家は、別に続いており、
また、公家、他藩主と比し、
司馬氏の他作品にまで目を通すと、時代の1人扱い。
この作品では、徳川慶喜が格段に優れていると評されているように思う。

司馬氏についてまで言及するなら、
もともと、作話が評価され、小説家への道があったのだと思う

有能なるが故に
有能なるが故に、将軍として担がれ、
有能なるが故に、薩摩に恐れられた。
有能なるが故に、幾筋もの手筋が見え、
簡単に意を翻してしまう。
有能なるが故に、大政奉還を決断し、
徳川政権に終止符を打ってしまった。

「君子は器ならず」
そんな言葉を思い出した。


歴史小説の真髄
私にとって司馬作品2作目です。最初は十一番目の志士 (上) (文春文庫)十一番目の志士 (下) (文春文庫)を読みました。本書は「十一番目、、、」のように、まるでその現場を見てきたような躍動感あふれる記述ではなく、慶喜の心情や行動が、ある意味淡々と書かれているような気がします。あとがきで著者が述べているように、慶喜は政治家であり、政治家の小説には政治自体の変化が必要であり(その点、幕末→大政奉還にかけての政治の激変は問題ありませんが)、そのため政治状況の描写が主人公の描写を凌駕してしまう危険があります。しかしながら、大政奉還という歴史上の政治一大事と慶喜という希代の権謀政治家の存在が、司馬遼太郎の筆力により「政治家を主人公とする歴史小説」の傑作へと導かれたのではないでしょうか。歴史小説の真髄を見たような気がします。

恥ずかしながら、「竜馬がゆく」などの長編はまだ読んでいません。が、幕末に疎かった私がこれらの司馬の作品によって、当時の日本の状況に引き込まれているのは間違いありません。司馬幕末入門書として、上記の「十一番目の志士」と併せて、お勧めです。幕末を薩長側からではなく、幕府側から見始めるのも面白いと思います。

星4つの理由ですが、上述の通りやっぱり政治のお話なので、躍動感には欠けますね。

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